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三島由紀夫「仮面の告白」感想

 

こんにちは。なんか学校も無いしバイトするのもめんどくさいから優雅に過ごしているさゆりです。

今回は三島由紀夫の「仮面の告白」の感想を書きます。どうして急にそんなものを読み出したかと言いますと、三島由紀夫かっこいい!から始まり、最後割腹自殺とかかっこいい!顔もかっこいい!というかっこいいの嵐から、これまで谷崎潤一郎責めをしてきた私ですが、三島由紀夫責めもしようと決めたからです。

 

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新潮文庫から発行された「仮面の告白」。昭和六十二年 十二月 十五日 第八十九版。

 

あらすじ

男色家の青年が、一人の女性を愛してしまったことで苦悩する話。

 

三島由紀夫とは?

三島由紀夫は大正から昭和にかけて活躍した日本の作家。めちゃ頭が良かったが、体が弱く、戦争にもいけなかった。男色家だったという説が濃厚。最後は立て籠もって、自ら腹を切って自殺。イケメンだった。

有名な著作に「潮騒」、「金閣寺」などがあり、2017年には「美しい星」が映画化された。

現在では「三島由紀夫賞」という文学賞も存在する。

 

初めて三島由紀夫を読んだ

三島由紀夫の文体の特徴として、なんでも説明していて感情を細かく描写していることから、真面目な人間像が想像できる。文章には人間味がないように感じる。冷静に感情を分析している。始めは読みにくいと感じるが、慣れてくるとわかりやすくなる。

仮面の告白」は、序盤の男色、性癖、悪習の描写が強烈なことから自分自身のことを投影している作品なのだと理解することができる。

勃起のことをerectioとかラテン語でオシャレに言ったりする。それはちょっとツボだった。

筋骨隆々な男性の身体にナイフを刺して食べたいという性癖?があり、なかなかヤバイ。

 

感想

女性を愛せないことで苦悩していたはずが、女性を愛せたことでも「これは本物の愛なのか?」と悩んでしまう。普通になりたいと願っている人間が普通になると戸惑い出すケースは少なくない。それまでの自分がいなくなったような感覚と、「普通になってしまった」という感覚、普通になれて嬉しい感覚が、自分の感情をかき回して混乱させてしまうのだと思う。自分で作り出してしまった「常識」から一度外れてしまうとそこから何と無く罪悪感や虚無感を感じてしまう。

 

主人公が抱えている「一般的な常識」から自分は外れていると絶望しているが、これは主人公が作り出した「一般的な常識」なのではないか?

しかし、昨今では同性愛は理解されつつあるが、この1940年代当時のことを考えると主人公の持つ「一般的な常識」が正しかったのかもしれないとも思う。

 

園子との関係

肉欲が無いのは愛していると言えるのか?では、肉欲があればそれは愛していることになるのか?

背徳感から燃え上がってくるものなのか?何と無く逢いたいのは何故なのか?

園子も欲望に忠実な人間ではなく理性があり、主人公は園子に対する愛はあるが肉欲は無い。どちらかが肉欲を露わにすればその愛は結婚へと繋がったのでしょうか。結婚はハッピーエンドなのでしょうか。

個人的には最終的に二人にとっては数回逢瀬を行う微妙な間柄が一番丁度良くて、ラストシーンの状態が二人の1番のハッピーエンドだったのかなと感じる。お互いに誰に肉欲を感じるのかとか誰を愛しているのかとかそういうことに踏み込まない。これから先どうなるのかは置いとくとすればの話ですが。

 

「好き」という感情は時として自分を守るためであったり、虚栄心からくるものであったり自分に都合の良いものとして湧き上がってくることもあり、それが主人公に自分を疑わせる材料を与えることになったと解釈。

 

初恋の近江

主人公が始めに恋心を抱いた、男色傾向に気付かせるきっかけとなった近江。悪習のきっかけともなった。

主人公が男色家ということもあるが、欲望に忠実で自由に生きている近江に惹かれたのかも?

 

欲望について

欲望に忠実な人間と欲望に忠実になれない人間がいる。

主人公の周りでは欲望に忠実な人間が多数描かれている。ラストシーンの四人の若者、主人公をいやらしいお店に連れ出した老舗の菓子屋の息子、社交場でなりふりかまわず踊り狂う男女、座布団に尻餅をついてスカートが捲れても何も気にしない女。それらの人間は主人公と園子の関係と対を成している。

 

まとめ

三島由紀夫は恋愛の曖昧な感情と、普通では無い人間の苦悩を描きたかったのかなと感じました。プラトニックラブという綺麗なテーマの裏にどす黒い苦悩が隠れている作品。

さゆりは普通に異性が好きだけど、同性を好きになっちゃったらこんな風に肉欲とか本当の気持ちとか疑っちゃうだろうなと思いました。いや普通に恋愛してる時も疑いまくりだわ。

「周りとは違うのでは無いか?」「恋愛わかんない!」と感じている人にオススメです。

 

 

以上、さゆりでした。